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2011年3月11日に地震で東京電力株式会社福島第1原子力発電所が事故を起こしてから,2013年12月4日で1000日が過ぎました。
現在,福島第一原発では,4号機の使用済み燃料プールから使用済み燃料棒を取り出しています。
この使用済み燃料棒が空気中に存在すると,その発する放射線の強さから,まわりにいる作業員は全員即死することになります。
4号機の使用済み燃料プールには,1331本の使用済み燃料棒が沈んでいます。
これは,セシウム137に換算して,広島原発1万発分の放射性物質に相当します。
事故を起こした1号機から3号機までのそれぞれの使用済み燃料プールにも使用済み燃料棒が沈んでいます。
しかし,4号機の破壊が激しくて使用済み燃料プールが不安定なので,まず4号機から使用済み燃料棒を取り出しているのです。
4号機は事故当時運転を休止していて,原子炉圧力容器の中に燃料棒はありませんでした。
だから,4号機は燃料棒が溶け落ちること(メルトダウン)はなかったので,いま4号機に近づくことができるのです。
1号機,2号機,3号機の原子炉はメルトダウンして,それぞれ100トンもの核燃料がドロドロに溶けて落下し,現在どこにあるのかわかりません。
1号機,2号機,3号機は,原子炉圧力容器の中を覗くことはおろか,近づくことすらできないのです。
テレビや新聞などのマスコミは,4号機の使用済み燃料プールからの使用済み燃料棒の取り出し作業が,あたかも「廃炉」作業のスタートでもあるかのように報道しています。
しかし,使用済み燃料棒の取り出しは「廃炉」作業のスタートではありません。
「廃炉」など10年や20年ではできない。
「廃炉」ができるのが何十年先のことになるか,わかりません。
1986年4月26日,チェルノブイリ原発の4号炉が爆発しました。
チェルノブイリ原発は,4号炉1基だけが事故を起こしたのですが,「石棺」という巨大なコンクリートで原子炉を覆っただけで,27年たった今でも「廃炉」にできないのです。
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澤下靖典 (土曜日, 07 12月 2013 08:14)
私たち人類は、いつまで負の遺産を地球に残し続けるのでしょう…
私たちの余命あるうちには、とうてい清算できようのない負の遺産を、子どもらに、地球に相続させたくないと願います。