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今から60年前の1954年4月26日,1本の映画が公開されました。
その映画は「七人の侍」,監督は黒澤明。
七人の侍のリーダーといえる勘兵衛を演じたのは志村喬。
二枚目俳優ではないのですが,その自然体の存在感は,この人でなくては!と思わせるものでした。
黒澤明は,この勘兵衛の役作りを詳細に練ったようです。
たとえば,うつむいている勘兵衛が話しかけられると,こんなふうに顔を上げるんだ,というところまで指導したそうです。
勘兵衛が登場すると画面が絞まります。
野武士との最後の決戦の前に,村人たちに
「勝負はこの一戦で決まる!」
と力強く言って,土砂降りの雨の中で,刀を腰に構えるシーン。
村の中央の広場の高くなったところに,すっくと立った勘兵衛が,土砂降りの雨の中で,弓を引いて矢を射るシーン。
美しいシーンはたくさんあるのですが,「七人の侍」の中で最も美しいシーンを紹介します。
映画の前半の最後のところ。
村はずれの数軒の家は守りきれないことがわかって,その家の村人が刀を捨てて,戦列を離れようとします。
すると,勘兵衛は険しい形相で「刀をとれ」と言って,刀を抜いて,低い姿勢で村人めがけて走ります。
驚いた村人たちは,あわてて刀を拾います。
カメラは,走る勘兵衛を前から,あわてて刀を拾う村人を後ろから撮影しています。
画面はカーブを描いて動くのですが,引き締まって流れるような名シーンです。
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