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交響曲第6番「悲愴」 ☆ あさもりのりひこ No.93

実家の応接間にステレオがありました。

写真のような家具調のステレオです。

このステレオで,シングルレコードやLPレコードをかけて音楽を聴きました。

レコードプレーヤーの針がすり減ると,替えのレコード針を買ってました。

 

父は,クラシックファンというほどではなかったけど,カラヤンのクラシック音楽の全集がありました。

LPレコード10枚くらいが箱に入っていて,箱の表はヘルベルト・フォン・カラヤンの顔写真でした。

 

敗戦後,三大交響楽がコンサートでよく演奏されたようです。

三大交響楽とはなにか?

ベートーヴェン「田園」,ドボルザーク「新世界より」,シューベルト「未完成」です。

「運命」ではなく「田園」なんですね。

 

わが家の全集には,「運命」も「田園」も「新世界より」も「未完成」も入っていました。

ポピュラーなクラシックを集めた全集でした。

 

このカラヤンのクラシック全集の中に,チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」がありました。

チャイコフスキーの「悲愴」をこの全集のLPで初めて聴きました。

それ以来,怒濤のように哀しみが押し寄せてくる「悲愴」を聴き続けています。

「悲愴」を聴くと,吹きすさぶ風に向かって,たったひとりで立ち尽くし,とめどなく涙があふれて流れ落ちる,というイメージが浮かびます。

 

チャイコフスキーは1840年5月7日に生まれて,1893年11月6日に亡くなりました。

亡くなったのは,交響曲第6番「悲愴」が初演された9日後のことでした。

53才でした。

 

チャイコフスキーが亡くなって66年後の1959年11月5日に私は生まれました。

私は55才になりました。

 チャイコフスキーよりも2年長生きしています。