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総選挙の結果 ☆ あさもりのりひこ No.101

47回目の衆議院議員総選挙の投票が12月14日に行われました。

自民党の得票は,全国の比例代表で1770万票でした。

1770万票というのは,全有権者の17%にすぎません。

しかし,衆議院議員475議席のうち自民党が291議席をとりました。

 

今回の総選挙について「投票したい候補者がいなかったので,投票に行かなかった」という声を聞きます。

しかし,今回の総選挙で,投票したい候補者がいるかどうか,が問われたのではありません。

今回の総選挙では,つぎの①②③に対する答えが問われました。

① 集団的自衛権を認め,戦争をして,国民が死んでもいいのか。

② 特定秘密保護法を認め,国民が身に覚えのないことで拘束されて,拷問を受けて死んでもいいのか。

③ 原子力発電を続けて,放射性物質をまき散らして,国民がガンや白血病で死んでもいいのか。

 

集団的自衛権を認め,戦争をして,国民が死んでもいい,という人は自民党に投票しました。

いやだという人は自民党以外に投票しました。

 

特定秘密保護法を認め,国民が身に覚えのないことで拘束され,拷問を受けて死んでもいい,という人は自民党に投票しました。

いやだという人は自民党以外に投票しました。

 

原子力発電を続けて,放射性物質をまき散らして,国民がガンや白血病で死んでもいい,という人は自民党に投票しました。

いやだという人は自民党以外に投票しました。

 

投票に行かなかった有権者のうち,自民党を支持する人は,自民党に投票した人と同じ責任があります。

投票に行かなかった有権者のうち,自民党を支持しない人は,自民党が291議席をとったことに大きな責任があると思います。

 

投票したいと思う候補者がいなくても,投票に行って,自民党以外に投票する必要があったのです。

お腹が減っているときに,ラビオリを出されたら,ステーキを食べたくても,ラビオリを食べるのですよ。

 

 11月20日のブログNo.95で「今回の総選挙で問われるのは,国民の想像力と知性です。」と書きました。

投票した人も投票しなかった人も想像力と知性が問われたのです。

 

 

今から171年前,チャールズ・ディケンズが「クリスマス・キャロル」(1843年)を書きました。

 

クリスマスイブの夜,スクルージのもとに過去の精霊,現在の精霊,未来の精霊が訪れます。

 

現在の精霊のマントのひだの間から,男の子と女の子が出てきます。

ふたりとも,薄汚れて,惨めにやせこけ,醜くて気味悪い,目をそむけたくなる姿をしています。

 

現在の精霊が,スクルージにこう言います。

「男の子は〈無知〉,女の子は〈貧困〉だ。二人に心せよ」

「まだ消されずに残っているなら,額に〈破滅〉の文字が読めるはずだ。頑としてこれを拒め」

 

国民の想像力と知性を反映して,自民党が291議席を獲得しました。

無知貧困に心しないと破滅する時代になりました。