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少し前の報道になるが,9月1日の毎日新聞につぎのような記事が掲載された。
『大阪市教育委員会は1日の会議で,市立小中高校の運動会や体育祭で実施している組み体操の段数や練習を制限することを決めた。四つんばいの姿勢で重なる「ピラミッド」は5段,肩の上で立って円塔をつくる「タワー」は3段を上限とし,体育の授業での練習を禁止する。全市立校と幼稚園に通知し,順守を求める方針で,こうした規制は全国的にも珍しいという。』
この記事を読んで,あらためて,「ピラミッド」や「タワー」などの組み体操は『危険』だなと思っていた。
その後,10月になって,つぎのような報道があった。
奈良県教育委員会が,2014年度の状況を調査したところ,「ピラミッド」で小中学校で21人が負傷し,うち2人が骨折,「タワー」で25人が負傷し,うち5人が骨折した。
奈良県教育委員会は,この結果を受けて,各市町村の教育委員会や各学校に対して,演技中に危険を察知した場合は,中止するなど,安全面への配慮を促した。
組み体操は,ひとりひとりの人間が「ピラミッド」や「タワー」の部品になって,作られるものである。
「ピラミッド」や「タワー」を完成させるために,各部品は大きさも形も均質であることが求められる。
個々の部品が好きな格好をすることは許されない。
組み体操は,部品の均質化と統一性を必然とするものである。
それは,ナチスドイツの兵士の行進と同じ『危険』を孕んでいる。
映画「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」の最後のヤマ場で,星野鉄郎はメーテルと惑星プロメシュームを訪れる。
プロメシュームはメーテルの母で,惑星プロメシュームは星全体が機械で作られた人口の惑星である。
その機械の部品は,メーテルが連れてきた子どもたちで出来ている。
機械のからだを望んだ子どもたちを機械の部品にして,星が作り上げられているのだ。
子どもたちは,機械のからだを手に入れ,個性をなくし,惑星プロメシュームを支える部品になっている。
「ピラミッド」や「タワー」などの組み体操は『危険』だと思う。
配慮すべきなのは安全面だけではあるまい。
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