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詩歌 ☆ あさもりのりひこ №153

去年は立原道造生誕100年であった。

 

立原道造の詩集『夏の旅』から「村はづれの歌」を紹介する。

 

咲いてゐるのは みやこぐさ と

指に摘んで 光にすかして教へてくれた

右は越後へ行く北の道

左は木曾へ行く中仙道

 

この詩を知ったのは,立原あゆみの「麦ちゃんのヰタ・セクスアリス」だったと思う。

『咲いてゐるのは みやこぐさ と 指に摘んで 光にすかして教へてくれた』というフレーズが繊細で心に残っている。

 

石川啄木のつぎの短歌も「麦ちゃんのヰタ・セクスアリス」で知ったと思う。

    

 函館の青柳町こそかなしけれ

友の恋歌 矢ぐるまの花

 

立原あゆみの初期の作品は抒情にあふれていた。

その抒情的な立原あゆみのマンガに啄木の短歌はぴったりあった。

 

そういえば,道造は24才,啄木は26才で亡くなっている。

 

 宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」で,風に飛ばされた二郎の帽子を菜穂子がキャッチしたあと

 

 菜穂子「ル ヴァン ス レーヴ」

 二郎「イル フォ タンテ ド ヴィーヴル」

 

と言う場面がある。

 

ポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』の一節である。

 

Le vent se lève

 il faut tenter de vivre.

 

「風が立つ

生きようとこころみなければならない」