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なら法律事務所
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刑事事件で逮捕されると3日間,勾留されると10日間,勾留が延長されるとさらに最長10日間,身体を拘束される。
拘束される場所は,警察署の留置場か拘置所である。
拘束された人は,被疑者と呼ばれる(警察官は「タマ」と呼ぶが)。
拘束されている被疑者に物を渡すことを「差入れ」,被疑者から物を受け取ることを「宅下げ」という。
朝守は被疑者(依頼人)に本を差し入れることがある。
なら法律事務所の本棚には,差入れ用の本が何種類か置いてある。
そのうちの1冊が「クリスマス・キャロル」(光文社古典新訳文庫)である。
「クリスマス・キャロル」は,チャールズ・ディケンズ(イギリス)が1843年に書いた小説である(172年前の小説だ)。
クリスマスイブの夜,エベニザー・スクルージのもとに3人の精霊が訪れる。
過去の精霊,現在の精霊,未来の精霊。
2番目に現れた現在の精霊のマントの襞の間から,子供が2人出てくる。
男の子と女の子。
薄汚れて,惨めにやせこけ,醜くて気味悪い,目をそむけたくなる姿をしている。
現在の精霊が,スクルージにこう言う。
「そうら,見ろ!よく目を開けて,まっすぐ!」
「男の子は〈無知〉,女の子は〈貧困〉だ。二人に心せよ」
「まだ消されずに残っているなら,額に〈破滅〉の文字が読めるはずだ。頑としてこれを拒め」
2011年3月,東京電力株式会社の福島第一原子力発電所が地震が原因でメルトダウンし,大量の放射性物質が福島県,千葉県,茨城県,栃木県,群馬県,東京都などに広範囲にばらまかれた。
このとき,早川由起夫さん(群馬大学)は
「勉強しない人間と貧乏人から死ぬ」
と言った。
まさに,無知と貧困が破滅をもたらしているのだ。
戦争法が成立して,若者が戦場に送られようとしている。
戦争法を成立させて,戦争の準備をする人間がいる。
戦争法について無知であれば,彼らをのさばらせる。
そして,貧乏人から戦場に送られる。
戦争法を成立させて,戦争の準備をする人間を放置すれば,彼らは破滅をもたらすだろう。
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