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2012年(平成24年)4月27日、自由民主党が「日本国憲法改正草案」を決定した。
2016年7月10日に投票が行われる参議院通常選挙で、与党が議席の3分の2を占めると、この草案に沿って憲法が改正される。
この草案を読むと、自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党に投票したら日本がどんな国になるのかが見えてくる。
というわけで、自由民主党の「日本国憲法改正草案」のポイントを押さえておく。
【 緊急事態 】
改正草案第9章「緊急事態」は現行憲法にはない条項である。
まず、改正草案98条1項は、内閣総理大臣が緊急事態の宣言を発することができる要件のひとつとして「内乱等による社会秩序の混乱」をあげている。
この「等」はあらゆる場合を含むので、権力者が「社会秩序の混乱」だと言えば、フリーで緊急事態を宣言できることになる。
つぎに、改正草案98条2項は「緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。」と規定している。
国会の承認は「事後」でいい、つまり、事前の承認は必要ないので緊急事態を宣言するのはフリーだということになる。
さらに、改正草案99条1項は「緊急事態の宣言が発せられたときは・・・内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」と規定している。
これは、国民の権利や自由を内閣の判断だけで制限することができることを意味している。
加えて、改正草案99条4項は「緊急事態の宣言が発せられた場合においては・・・両議院の議員の任期・・・の特例を設けることができる。」と規定している。
これによって、国会議員は統治者を支持する者に固定されるので、緊急事態を宣言した統治者は無期限に権力を行使できることになる。
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