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ショートニングとマーガリン ☆ あさもりのりひこ No.590

2015年7月30日のブログNo.135に「トランス脂肪酸」について書いた。

もう一度書く。

 

トランス脂肪酸が発生するのは、①植物性の油に水素を添加して化学反応を起こしたとき、②原料に高温高圧を加え食用油を抽出するときである。

 

マーガリンやショートニングは元々、バターやラードの代用品として開発された。

常温で液体の植物油に水素を添加すると、脂肪の分子構造に変化が起こり油が固まる。

その変化した構造はプラスチックと非常に似ており、プラスチックを食べることと大差はなく、「食べるプラスチック」と呼ばれる。

蟻やゴキブリは、マーガリンを「食べ物」と認識しないので寄りつかない。

 

マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は約1~16%と、企業や商品によって差がある。

食パン1枚あたりに塗るマーガリンの量をおよそ10グラムとすると、トランス脂肪酸の含有率が高いマーガリンの場合、規制の厳しい国では基準値を超えてしまう。

 

ショートニングは、マーガリンから水分と添加物を取り除いたもので、より純度が高くなり、トランス脂肪酸の含有量はマーガリンよりも高くなる。

主に市販のパンやクッキー、揚げ物の油などに使われ、「サクッ」「パリッ」とした食感は、このショートニングが一役買っている。

コンビニやファストフード店で使われる揚げ油の多くはショートニングが使われている可能性が非常に高い。

 

市販の植物性油脂には、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、べにばな油、大豆油などがある。

原料からこれらの油を搾り取るが、抽出方法によって原料を高温に加熱する場合がある。

高温に加熱すると原料から油の抽出できる量が増えるが、トランス脂肪酸が大量に発生する。

150℃超 分子構造に変化が起きる

160℃超 トランス脂肪酸へと徐々に変化していく

200℃超 トランス脂肪酸が急増する

より安価な植物性油脂ほど高温にしているのでトランス脂肪酸の含有率が高くなる。

 

原料から油を抽出する方法を見てみよう。

【溶剤抽出法】

まず、「ヘキサン」という溶剤を原料に混ぜ合わせ高温に加熱して油を抽出する。

つぎに、抽出した油を高温で加熱し、溶剤のみを蒸発(気化)させる。

さらに、リン酸を添加し加熱することで不純物(原料の栄養素やビタミン・ミネラル・食物繊維など)を取り除き、長期保存を可能にする。

加えて、長時間250℃前後を保つことで、原料のもつ臭いを取り除く。

この方法で原料に含まれる油の99%を抽出できる。

しかし、高温に長時間さらすことで、脂肪酸が「トランス脂肪酸」に大量に変化する。

【低温圧搾法(コールドプレス法)】

原料に熱を加えず、圧力のみで油を搾り取る方法である。

摩擦熱を抑えるため、長時間かけてゆっくりと搾り取るため、高温にならずトランス脂肪酸が発生しない。

また、原料に含まれる栄養成分なども壊れない。

 

世界のトランス脂肪酸の規制の例はつぎのとおり。

ニューヨーク市:トランス脂肪酸は完全禁止

オランダ:トランス脂肪酸が含まれる製品の販売禁止

デンマーク:食品へのトランス脂肪酸の含有率を2%に制限し、違反したら罰則の対象となる

韓国、中国、台湾:食品表示の義務化

中国:乳幼児への食品に対して使用禁止

日本では、トランス脂肪酸の表示義務すらない。

 

最後に、人間の身体への影響について。

トランス脂肪酸は、細胞膜の形成を阻害することで、免疫異常をきたしやすく、また活性酸素が大量に発生することがわかっており、摂り続けることにより体へ蓄積される。

がん、コレステロール異常、動脈硬化、心疾患、アトピー性皮膚炎、アレルギー、ADHD、リウマチ性関節炎、カンジタ症、うつなどの原因となる。

 

日本は「とうもろこし」「大豆」はアメリカ合衆国から、「菜種」はカナダからの輸入に頼っている。

アメリカ合衆国における「とうもろこし」「大豆」の作付面積の9割は遺伝子組み換えである。

カナダにおける「菜種」の作付面積の9割は遺伝子組み換えである。

安価な植物油脂、それを加工したマーガリン、ショートニング、マヨネーズなどは、遺伝子組み換え食品である可能性が高く、トランス脂肪酸とのダブルで体に影響を及ぼす心配がある。

 

朝守はパンが好きである。

しかし、大手パン会社のパンは買わないし、チェーン店のパンも買わない。

 個人のパン屋さんのパンを買う。

 

わが愛するパン職人のみなさんへ

ショートニングを使うのはやめよう。

マーガリンではなく、バターを使おう。

 

 

(このブログは、「避けたい危険な食品添加物一覧」のウェヴサイトを参考にして作成しました。)