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2019年9月15日(日)、マラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)を観た。
うちにはテレビがないので、スマートフォンで中継を観ていた。
2020年8月の本番のレースに出場できるのは、男子、女子とも3人ずつ。
MGCで1位と2位になったランナーは、来年の本番のレースに出場できる。
男子は午前8時50分スタート、女子は9時10分スタート。
男子のレースを観ながら、コマーシャルの間は女子のレースを観る。
男子は、設楽悠太が37㎞地点まで独走したが、その後、第2集団に抜かれた。
40㎞地点で、集団から、中村匠吾、服部勇馬、大迫傑が抜け出して、デッドヒートを繰り広げた。
中村が力強い走りで1位。
服部が大迫を逆転して2位。
大迫は力尽きて3位だった。
この結果、中村と服部が、来年の本番のレースの出場資格を得た。
設楽は30㎞くらいまで、1㎞3分前後で飛ばして、途中、後続集団に2分以上の差をつけたが、最終的には14位に終わった。
この設楽の走りについて「大逃げ」と書いた記事があった(日経だが)。
設楽は、逃げ切ろうとしたのだろうか?
男子フルマラソンの世界記録は、エウリド・キプチョゲ(ケニア)が2018年9月16日に出した2時間01分39秒である。
今年4月28日には、モジネット・ゲレメウ(エチオピア)が2時間02分37秒で走っている(これが世界第2位の記録)。
ちなみに、フルマラソンを2時間5分以内で走ったランナーは49人いるが、バーレーンの選手1人を除いて、すべてケニアかエチオピアの選手である。
2020年8月9日の本番のレースにキプチョゲやゲレメウが出場するのかどうかわからない(出場してほしいが)。
世界の精鋭(ケニアとエチオピアの精鋭と言ってもいい)が集まるレースがどれくらいのスピードで進むのか?
今回のMGCで優勝した中村は自己ベストより3分遅れのタイムだった。
そうすると、2時間3分前後で走る世界のトップランナーが、来年の真夏の本番のレースを自己ベストより3分遅いタイムで走ったとしたら、2時間6分前後がゴールタイムとなる。
MGCで設楽が走ったペースである。
MGCは9月15日、本番は8月9日。
MGCは、本番より「涼しい」のだ。
本番のレースで、トップランナーたちが、1㎞3分前後で走るとすると、より「涼しい」MGCで1㎞3分前後で走れないようでは勝負にならない。
MGCで、スタートしてしばらくしてから、設楽が後ろを振り返って、付いてくるランナーがいないことを確認する場面があった。
設楽は「それでいいのか?それでは本番で戦えないぞ」と言いたかったのではないか。
残念ながら、設楽は失速してペースを保つことができなかった。
しかし、設楽は、本番を見据えて、世界のトップランナーと競うことができる走りを見せたのだ。
設楽以外のランナーは「本番のレースに出ること」を目標にして走った。
それはそれでいい。
設楽は「本番のレースで勝つこと」を目標にして走ったのだ。
設楽悠太は逃げたのではない。
設楽悠太は挑んだのだ。